Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)は、カリフォルニア州ロサンゼルス出身のシンガーソングライター。本名はBillie Eilish Pirate Baird O'Connell(ビリー・アイリッシュ・パイレーツ・ベアード・オコンネル)。
2015年、シングル「Ocean Eyes」でデビュー以来、独創的な音楽センスと繊細かつ力強い歌声で、現代ポップミュージックの新たなアイコンとして世界的な注目を集めてきました。
ダークポップ、エレクトロニカ、オルタナティブ、R&Bなど、ジャンルの枠を軽やかに飛び越えながら、独自の世界観と圧倒的な表現力でリスナーを魅了してきました。
ここでは、ビリー・アイリッシュがこれまでに発表してきた楽曲の中から、特に人気と評価の高い神曲を人気曲ランキングTOP20としてまとめ、さらに編集部厳選のおすすめ曲8選もご紹介。それぞれの魅力や背景を深掘りしながらその魅力に迫ります。
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキングTOP20
人気曲ランキングはWikipediaに掲載されている出荷枚数、デジタル販売数、CD売上枚数、エアプレイなどの回数、ストリーミング(Spotify、Apple Musicなど)を元に算出されたユニット数の各国の合計値をスコア化して、さらにYouTube再生回数ランキングをポイント化し、その合計を合算したものになります。不定期で更新していきます。
それでは、ランキングに入ったそれぞれの楽曲を簡単ではありますが、ご紹介していこうと思います。
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BoredBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング20位はサウンドトラック・アルバム『13 Reasons Why (A Netflix Original Series Soundtrack)』から「Bored」。
Netflixドラマ『13の理由』シーズン1のために書かれた曲で、かつての恋人の過ちにようやく気づいたという思いが歌われています。
海外誌のインタビューではドラマの音楽を制作し、それがサウンドトラックに収録されたことは、音楽をより多くの聴衆に届けることができたため、大変光栄だったと語っています。
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No Time To DieBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング19位はサウンドトラック・アルバム『No Time To Die: Original Motion Picture Soundtrack』から「No Time To Die」。
映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の主題歌。全英シングルチャートでは初の1位を獲得しました。
レコーディング当時17歳だったため、ジェームズ・ボンド・シリーズ史上最年少のテーマ曲をレコーディングしたアーティストとなり、グラミー賞ビジュアルメディア部門最優秀主題歌賞、ゴールデングローブ賞最優秀主題歌賞、批評家協会賞最優秀主題歌賞、アカデミー賞最優秀主題歌賞など、数々の賞を受賞しました。
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LUNCHBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング18位は3rdアルバム『HIT ME HARD AND SOFT』収録の「LUNCH」。
ピアノの代わりに重厚なベースラインが響き、エレクトロ、シンセロック、ポストパンクの要素も漂うポップ/オルタナティブ・ポップ・トラック。
ビリーが自身の同性愛への気づきと欲望を率直に描きつつ、官能的な比喩を用いて“その女性を食べてしまいたいほど”惹かれる心情を表現しています。
アルバムと同日にシングル化されビルボードホット100で5位を記録しました。
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wish you were gayBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング17位はデビュー・アルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』から「wish you were gay」。
ビリーが14歳のときに書いたジャズの影響を受けたポップソングで、世界的ブレイクのきっかけとなった曲のひとつです。
オンライングッズストアからの収益の一部が、危険にさらされているLGBTQの若者のためのトレバープロジェクトに寄付されました。
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Therefore I AmBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング16位は2ndアルバム『Happier Than Ever』から「Therefore I Am」。
アップテンポ、ヒップホップの影響を受けたポップ、ダークポップ、R&B、エレクトロポップの曲。
タイトルはフランスの哲学者ルネ・デカルトの言葉「I think, therefore I am(我思う、故に我あり)」からと見られています。
カリフォルニアのグレンデールガレリアショッピングモール内で撮影されたこの曲のミュージック・ビデオも人気となりました。
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bellyacheBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング15位はデビューEP『Don't Smile at Me』収録の「bellyache」。
ミッドテンポのエレクトロポップ、R&B、オルタナティブヒップホップの曲で、ヒップホップ、ディープハウス、ラテンのマカブルの影響を受けています。
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you should see me in a crownBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング14位はデビュー・アルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』収録の「you should see me in a crown」。
エレクトロポップ、インダストリアル、そしてトラップの要素を織り交ぜた楽曲で、アイリッシュが「けたたましいシンセサイザーと連打するハイハット」に乗せて歌っている1曲。
タイトルはBBCの海外ドラマ『Sherlock』第2シーズンの第3話「ライヘンバッハ・フォール」のシーンに触発されました。
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bury a friendBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング13位はデビュー・アルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』から「bury a friend」。
暗く暴力的な歌詞の中で、誰かのベッドの下に潜むモンスターの視点で歌った1曲。
ロラパルーザのパフォーマンスのために訪れていたシカゴで制作が行われ、「シャッフルビート」を念頭に置いてスタジオに入り作られました。
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CHIHIROBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング12位は3rdアルバム『HIT ME HARD AND SOFT』収録の「CHIHIRO」。
テクノハウス、R&B、プログレッシブR&Bの要素を取り入れたミッドテンポの曲。
『千と千尋の神隠し』の登場人物である千尋を彷彿とさせる、迷子になって見つけた感情を歌っています。
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i love youBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング11位はデビュー・アルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』収録の「i love you」。
アコースティックギターを基調としたバラードで、飛行機の騒音が伴奏に、誰かに恋をすることへの抵抗を表現しています。
アルバムの中でも特に評価の高い曲のひとつで、今も尚聴かれ続ける1曲です。
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idontwannabeyouanymoreBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング10位はデビューEP『Don't Smile at Me』収録の「idontwannabeyouanymore」。
ジャズとネオソウルの影響を受けたメロディーに社会が彼女に求める姿に向き合いながら、自己不信に苦しむことについて歌った1曲。
うつ病に苦しんでいた時に着想を得て書かれており、当時のインタビューでは「うつ病は誰にでも、どんな病気であっても起こり得るもので、自分がそう感じていると認めることは恥ずべきことではありません。これは紛れもない事実であり、決して無視したり『選択』とレッテルを貼ったりすべきではありません」と述べています。
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What Was I Made For?Billie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング9位はサウンドトラック・アルバム『Barbie the Album』収録の「What Was I Made For?」。
映画『バービー』のために書かれた曲で、兄のFinneas(フィニアス)と共に長い間スランプだった期間を脱した後に最初に書かれた曲です。
純粋にこの映画とこのキャラクター、そして彼女がどう感じるかという想像からインスピレーションを得ながら書いたことをあかしています。
第66回グラミー賞では最優秀レコード賞を含む5部門にノミネートされ、最優秀楽曲賞(映画『タイタニック』のセリーヌ・ディオンの「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」以来、映画主題歌として同部門を受賞)と最優秀ビジュアルメディア主題歌賞を受賞しました。また、第81回ゴールデングローブ賞では最優秀主題歌賞を受賞し、第96回アカデミー賞では最優秀主題歌賞を受賞しました。
『Barbie the Album』収録
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WILDFLOWERBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング8位は3rdアルバム『HIT ME HARD AND SOFT』収録の「WILDFLOWER」。
この曲が誰について歌っているのか明確に説明していませんでしたが、Jesse Rutherford(ジェシー・ラザフォード)の元恋人、Devon Lee Carlson(デヴォン・リー・カールソン)との関係をほのめかしていると報じられました。曲名は、カールソンが設立した会社「Wildflower Cases」への言及だと考えられています。
アルバムの中でも人気の高い曲のひとつで、ビルボードのロックとオルタナティヴのチャート全てに1年以上ランクインしました。
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Happier Than EverBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング7位は2ndアルバム『Happier Than Ever』収録の「Happier Than Ever」。
アップテンポ、ヒップホップの影響を受けたポップ、ダークポップ、R&B、エレクトロポップの曲。
カリフォルニアのグレンデールガレリアショッピングモール内で撮影されたこの曲のミュージック・ビデオも人気となりました。
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everything i wantedBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング6位は「everything i wanted」。
ピアノとダウンテンポのベースギターの楽器を備えた、ハウスとエレクトロニカの影響を受けたポップおよび代替ポップトラック。
ビリーが経験した悪夢に触発されたこの曲は、ビルボードホット100で「bad guy」に続く2番目のトップ10ヒットになりました。
アルバム未収録の曲としてリリースされましたが、後に『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』の日本盤コンプリート・エディションとデラックス・エディションに収録されました。
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ocean eyesBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング5位はデビューEP『Don't Smile at Me』収録の「ocean eyes」。
フィニアスが自身のバンド、The Slightlys(ザ・スライトリーズ)のために初めて書いた曲で、ビリーのボーカルの方が合っていると感じ渡したそうです。
SoundCloudにアップロードすると一気にバイラルヒットとなり、ビリーのダンスのキャリアに終止符を打ち、レコーディングのキャリアに焦点を合わせるきっかけにもなりました。
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when the party's overBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング4位はデビュー・アルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』収録の「when the party's over」。
フィニアスのデートでの経験が元になっているこの曲は、ボーカルトラックにかなり力を入れてレコーディングされました。
黒い涙が彼女の頬を流れ始め、その過程で彼女の服を汚していく様子を描いたミュージック・ビデオが大きな話題となりました。
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bad guyBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング3位はデビュー・アルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』収録の代表曲「bad guy」。
圧倒的ビリーの代表曲と言える今作は、最小限の楽器で、恋人が悪者であると罵倒しますが、彼女は彼よりも弾力性があることを示唆し、さらにミサンドリーと皮肉についてのテーマに触れています。
ビルボードホット100以外にもオーストラリア、カナダ、ニュージーランドを含む16の国際的なチャートで1位を獲得。第62回グラミー賞では最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞を受賞するなど、数々の賞を受賞しました。
RIAA(米国レコード協会)では1000万枚の売上に相当するダイヤモンド認定を受けています。
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BIRDS OF A FEATHERBillie Eilish
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング2位は3rdアルバム『HIT ME HARD AND SOFT』収録の代表曲「BIRDS OF A FEATHER」。
ニューウェーブとポップスを融合させ、深い愛と永続的な繋がりへの願いをテーマにした1曲。
グローバル200で1位を獲得し、オーストラリア、クロアチア、エストニア、アイスランド、リトアニア、マレーシア、ニュージーランド、シンガポールを含む8カ国で首位を獲得しました。
アルバムリリース後、2024年夏季オリンピックの閉会式で披露したことが人気を後押しするきっかけとなり、1年以上多くの国のチャートにランクインし続けたロングヒット曲です。
全世界の総ユニット数も1,000万を超えており、今なおストリーミングを中心に高い人気を得ています。
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lovelyBillie Eilish, Khalid
ビリー・アイリッシュの人気曲ランキング1位はデビューEP『Don't Smile at Me』収録の代表曲「lovely」。
Netflixドラマ『13の理由』のシーズン2のために書かれた曲で、兄妹とKhalid(カリード)が共作しました。
チャートアクションとしてはブレイク前だったこともありビルボードホット100で64位、全英シングルチャートでも47位と高い順位ではありませんが、楽曲の人気の高さからロングヒット。
ミュージック・ビデオも最も再生され20億回を突破。2024年11月には「bad guy」に続きRIAAで2曲目のダイヤモンド認定を獲得しました。
全世界の総ユニット数は唯一2,000万を超えており、今なおストリーミングを中心に高い人気を得ている神曲です。
ビリー・アイリッシュのおすすめ曲8選
ここまでランキング形式でご紹介しましたが、ビリー・アイリッシュをあまり聴いたことがない方でも「bad guy」はご存じかもしれません。
その他ランキングの中から編集部としておすすめしたい曲は、「lovely」、「BIRDS OF A FEATHER」、「everything i wanted」、「Happier Than Ever」、「bury a friend」、「No Time To Die」あたりは特におすすめ。
そしてランキング外からは以下の2曲がおすすめです。
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all the good girls go to hellBillie Eilish
おすすめ1曲目はデビュー・アルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』収録の「all the good girls go to hell」。
気候変動について歌い、地球を破壊するために人類に敵対する悪魔と神の視点を取り入れています。
ミュージック・ビデオではビリーが黒い翼の生えた悪魔になった映像が話題になりました。
何よりこの曲、ベースがかなりかっこいい曲で、遊び心がありながらファンクっぽさもあり、何度聞いても未だに飽きない1曲です。
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NDABillie Eilish
おすすめ2曲目は2ndアルバム『Happier Than Ever』収録の「NDA」。
タイトルはnon-disclosure agreement(秘密保持契約)の略で、名声との葛藤やプライバシーの確保を描いた1曲。
オルタナティブポップ、ダークポップ、エレクトロポップ、インダストリアル、そしてプログレッシブポップといった要素を織り交ぜた楽曲で、ビリーにはなかなかないサウンドが印象的な曲です。
以上がビリー・アイリッシュおすすめの曲になります。もちろん他にも多くの名曲がありますので、あまり聴いたことがない方はこれらの曲をきっかけに是非アルバムを聴いてみてください。
まとめ
ビリー・アイリッシュと言えば「bad guy」が圧倒的な代表曲でしたが、「lovely」の人気が長く継続されていることから全世界での売り上げも上回りました。加えて「BIRDS OF A FEATHER」の最近の人気もスコア計上にはプラスに働き2位にランクインしました。
今回ご紹介したビリー・アイリッシュの人気曲20選は、彼女の独創的な音楽性と唯一無二の表現力を象徴する楽曲ばかりです。
ビリー・アイリッシュの音楽が世界中のリスナーを惹きつける理由は、そのミニマルかつ緻密に作り込まれたサウンドと、日常の陰影や内面の葛藤をリアルに描く歌詞にあります。デビュー作『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』から最新作『HIT ME HARD AND SOFT』まで、彼女はダークポップやオルタナティブ、エレクトロニカなど多様なジャンルを自在に行き来しながら、自身の感情や世界観を深く掘り下げてきました。
「bad guy」や「bury a friend」では不穏で遊び心あるビートを、「everything i wanted」では静かな孤独と支え合う絆を、「LUNCH」では自己発見と欲望の解放を描くなど、彼女の楽曲は聴く者の心を鮮烈に揺さぶります。
グラミー賞をはじめとする数々の音楽賞を受賞し、時代を象徴するアーティストの一人として確固たる地位を築いたビリー・アイリッシュ。独特の美学と鋭い感性で紡がれる彼女の音楽は、これからも世界中のリスナーに新鮮な驚きと深い共感を届け続けてくれそうです。
参考記事
・Billie Eilish - YouTube
・Billie Eilish - Apple Music
・ビリー・アイリッシュ | Spotify
・ビリー・アイリッシュ - Wikipedia
・Billie Eilish - Wikipedia